【助産師が教える】切迫早産ってなに?原因や症状は?

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妊婦妊娠期のトラブル
綾剛
綾剛

ぷんにーさん、子宮の入り口の長さが13mmと短いです。

入院しましょう。

28週ぷんにー
28週ぷんにー

えっ!たったの13mm?!もう産まれるってこと?!

急に入院って言われても困ります!

上の子もいるし、どうしよう…。

こんにちは。ラマ看です。

今回は妊婦が入院する理由、第1位の「切迫早産」についてお話します。上のやり取りのように、妊婦健診でいきなり入院を言い渡されることは多々あります。そこで切迫早産について知ってもらい、その原因や予防についてまとめてみました。切迫早産の妊婦だけでなく、全妊婦に共通して言えることなのでぜひ参考してもらえると嬉しいです。

切迫早産とは?

切迫早産とは、一言でいうと「早産で産まれそう」な状態のことです。

早産は「妊娠22週0日~36週6日」で産まれることで、よく”未熟児で産まれた”っていうのはこの妊娠週数で産まれたことをいいます。週数が浅いほどその未熟度は高いです。また、正期産は「妊娠37週0日~41週6日」で赤ちゃんが生まれてもいい時期となります。

早産で産まれてしまうとどのようなリスクがあるかというと、自分の力で呼吸が上手にできなくて人工呼吸器をつけたり、脳や腸などの臓器が出血したり壊死したり、感染症を起こしやすかったり、様々な合併症を起こしやすくなります。ちょっと怖いこと言ってごめんなさい。新生児医療が発展していることも確かですが、できるだけお腹の中で赤ちゃんの成長(成熟)を待って正期産でお産したほうがいいのです。(※胎児や母体の状態によっては、早産であっても早くにお産して治療したほうがいい場合もあります)

また切迫早産の診断は、妊婦健診時に行う経腟超音波でわかります。

原因

原因は明らかになっていないこと多いですが、どこかしらの感染や炎症が悪さをしているのではないかと考えられています。また切迫早産の危険因子として以下のことが挙げられます。

危険因子
  • 切迫早産、頸管無力症の既往
  • 多胎妊娠(双子、三つ子)
  • 頸管炎
  • 円錐切除後の妊娠
  • 子宮筋腫がある
  • コンドームなしの性交渉 
  • 重い物を持つお仕事や立ち仕事が多い(看護師も切迫早産多い)

助産師
助産師

理由ははっきりしないことがほとんどです。

切迫早産になったのは誰のせいでもありません。

自分を責めたりせず、赤ちゃんと一緒に過ごせる時間を楽しんでくださいね。

症状

主な症状は、お腹の張り(キューっと硬くなる感じ)です。私達はこの症状を「子宮収縮」や「腹部緊満感」と呼びます。この張りは頻回にあったり、生理痛のような痛みを伴ったり、腰の痛みなどもあります。お腹の張りは週数が進むにつれ増えてくることが多いですが、そのほとんどは安静にすることで落ち着きます。しかし、横になって休んでもお腹の張りが収まらない場合は悪さをしている可能性があります。その場合は早めにかかりつけの病院を受診しましょう。また、張りの感じ方には個人差があり、強く感じやすい人もいれば、全く自覚がない人もいます。普段からお腹を冷やさないようにし、お腹に違和感を感じたら触ってみて固くなっていないかなど意識してみるといいかもしれません。

その他症状には、性器出血があります。子宮の入り口が開きかけているための出血なのか、その他異常があっての出血なの調べる必要があるので、出血した際も受診しましょう。

治療

基本的な治療は安静にすることです。自宅安静の人もいれば、入院して張り止めの内服や点滴で治療する場合もあります。安静度も施設によって異なり、シャワーに入れなかったりトイレもベッド上で行う施設もあります。また、入院期間は妊娠週数や切迫の状態にもよりますが、基本的には37週の正期産近くまで、分娩するまで入院する場合もありいずれも長期間の入院を余儀なくされます。場合によって、NICUがある周産期センターへ転院・搬送することもあります。

予防

妊婦健診は定期的に通い、お腹の張りや違和感を感じたら医師へ相談しましょう。また日常生活では、無理をしないことです。家事・育児中はお腹の張りに気づきにくいので、全部自分でしようとはせず家族の協力を得ましょう。また長時間の立ち仕事や思うように休息がとれないお仕事であれば、職場に相談し調整してもらいましょう。また便秘もお腹が張りやすくなります。水分摂取を心掛け食物繊維がとれる食事を意識しましょう。白湯やプレーンなども効果があります。下剤は市販のものではなく医師から処方してもらいましょう。

助産師
助産師

切迫早産は早期発見し早期介入することで、早産を回避できる可能性が高くなります。気になる症状や受診に迷う場合は病院へ問い合わせてみましょう。

まとめ

切迫早産は妊娠期に最も起こりやすいトラブルの一つです。原因ははっきりしていないのですが、症状(お腹の張り)に対し早めの介入をすることで早産を回避する可能性が高まります。妊娠中は無理をせず、周りの方のサポートを得ながら過ごせるようにしましょう。また周りの家族や職場では妊婦さんが安心して過ごせるような環境が作れるようみんなで協力しましょう。

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