【助産師が教える】妊婦さんに向けた胎児心拍モニターの読み方

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NST妊娠期に行う検査
37週妊婦
37週妊婦

妊婦健診の時につけるモニターって何をみているの?

助産師
助産師

胎児心拍数モニタリングのことですね。

赤ちゃんが元気かどうかを評価する検査の一つです。

こんにちは!助産師のラマ看です。

NSTモニター

お産を経験したことがある方は、1度はつけたことがあると思います。胎児心拍モニター(右図)とは、妊娠後期の妊婦健診時に行う検査の一つです。今回は、胎児心拍モニターを行う目的と読み方についてまとめてみました。

モニターの見方がわかるようになると、赤ちゃんをより愛おしく感じることができると思います。ではどうぞ!

胎児心拍数モニタリングとは?

妊婦
วัฒนา ลอยมาによるPixabay

NST(ノン・ストレス・テスト)とも呼びます。その名の通り、ストレスがない(陣痛がない)状態で胎児の心拍数の動きを記録する検査です。心拍数の変化をみることで胎児が元気な状態かどうかを評価することができます。逆をいうと、赤ちゃんが元気じゃないサインをだしていないかの確認でもあります。検査時期は妊娠後期の34週~37週頃に行います。このモニターはお産の時にもずっと装着します。また、切迫早産の症状であるお腹の張りを評価する時にも行われます。

助産師
助産師

モニターから流れる、

ドッ、ドッ、ドッ、ドッ、ドッ、ドッ

という音が赤ちゃんの心臓の音です。

検査の目的

胎児を直接目でみて元気がどうか確認することはできません。なので経腹エコーや胎児心拍モニターで胎児の状態を評価します。また、お腹の張り(子宮収縮)は胎児にとってストレスです。妊娠後期になってくると自然とお腹の張りも増えはじめ、お産の時には狭い骨盤の中を陣痛の大きな張りのストレスを受けながら産まれてきます。このストレスに対し、胎児が耐えられるかどうかの予備力のチェックと、へその緒や胎盤の機能に問題がないかを評価することができます。

検査の方法

胎児心拍モニターは、今川焼きのような丸い2種類のセンサーをゴムベルトを使用してお腹に装着します。1つはピンク色で赤ちゃんの心拍をひろうセンサーです。もう1つは緑色でお腹の張りを感知するセンサーとなります。双子の場合は、ピンク色の心拍のモニターをもう一つ装着するので合計3つお腹に装着することになります。

検査時間は約20~40分。胎児は20分毎に起きたり眠ったりを繰り返します。モニタリングでは、起きている時の心拍数の動きを確認したいので、起きる気配がないお眠りちゃんには、お腹の上からブルブルと刺激をして起こすこともあります。

モニタリング中の姿勢は、横向きになるか、背もたれを少し上げ仰向けにならないような姿勢で行います。これは、仰臥位低血圧になるのを避けるためです。

助産師
助産師

服装は、お腹を出しやすい格好がいいです。

本などの読み物があるといいかも。

モニターどう読む?

妊婦

上記でもあるように、胎児心拍モニターは胎児が元気な状態かどうかを評価する検査です。今回は妊婦さんに向けた簡単なモニターの見方について説明します。

元気なサインは、簡単に④つあります。

元気サイン
  • 心拍数のベースが110~160の間(図①)
  • 心拍のギザギザした細かい動き(図②)
  • お山がある(図③)
  • 胎動が活発にある(図④)

①つ目は、胎児の心拍数のベースが110~160の間にあることです(図①)。胎児の正常な心拍数は1分あたり110~160回です。私達大人の正常な心拍数は、1分あたり約60~80回です。なので胎児は大人の心拍数の約2倍近くの速さ、つまり私達が全力疾走した時と同じぐらいの心拍数で一生懸命心臓を動かしているのです。かわいいですね~。

②つ目は、ギザギザとした心拍の細かい動き(図②)です。

③つ目は、赤丸のような大きな山になっている(図③)ことです。

④つ目は、胎動が活発にあること(図④)です。胎動はママにしかわからない胎児の元気な証拠ですよ。

③④は、赤ちゃんが起きている状態、つまり胎動が激しくある時によくみられます。眠っている状態では胎動はあまり感じられず、お山もなく横一本線になっていることもあります。

また下段に記録されているのがお腹の張りの状態です。お腹の張りもお山のように記録されます。陣痛がくると5分毎の痛みのある張りが現れて、赤ちゃんが生まれる直前では1-2分毎に張ります

また胎児はよくしゃっくりをします。しゃっくりすると一定の間隔で音が抜け、そのリズムに合わせてお腹の上からもピクッ、ピクッ、と動くのがわかります。

助産師
助産師

ちなみに産まれた後も、新生児期はよくしゃっしりしますよ。かわいい~!

元気がない時のサイン

お腹のエコー
MedicalPrudensによるPixabay

元気がない時は、脈がゆっくりになったりします(徐脈)。ですが、モニターの見方がちょっと複雑だったりするので、そこは助産師や医師に任せておけば大丈夫です。モニター中、アラームがなった時には、医師や助産師が駆け付けます。必要であれば酸素マスクをつけたりします。大きく深呼吸して赤ちゃんにたくさん酸素を送ってあげましょう。赤ちゃんが不安にならないよう「大丈夫だからね」と声をかけてあげるといいかもしれません。

また、元気じゃないサインがすべて悪い訳ではありませんので安心してください。元気がないサインを出した原因を、他の検査も併せながら調べて総合的に評価していきます。

助産師
助産師

次の健診まで不安・・・という方は、自宅でも心音が聴けるグッズがありますよ。

家族と一緒に聴くことができ、録音もできて思い出として残すことができます

ちなみに、このような便利グッズがなかった助産学生時代は、プロウベという木製の筒形の道具をお腹にあて、直接耳で心音を聴く方法でした。今は持ち運びもできるドップラーがあって大変便利になりました。

不安になる気持ち、大変わかります。いつも通りの胎動があれば赤ちゃんは元気です。少しでも気なることがあれば、かかりつけへ相談しましょう。

助産師
助産師

不安もある。だけど赤ちゃんとの時間も楽しんで!

家族の癒しBGM

妊婦とパートナー
Gioele FazzeriによるPixabayからの画像

赤ちゃんの心拍の音はリズムが心地よくて、聞いているうちにだんだん眠くなってきますよ。胎児を直接目で見ることはできないけれど、心拍の音でお腹の中で赤ちゃんが一生懸命生きている、生命の力強さを感じることができます。ぜひパートナーも一緒に聞いてもらいたいです。より愛おしく感じること間違いありません。

まとめ

胎児心拍数モニタリングは、胎児が元気である状態を評価する検査のひとつです。40分ほど拘束されますがとても簡単な検査になります。モニターの読み方を知ることで、より赤ちゃんに対する愛着が増すことでしょう!

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