【現役助産師が教える】助産師を辞めたいと思ったのはどんな時?

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浜辺を歩く女性看護師・助産師
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助産師

お産がうまくいかなくて、苦手意識から分娩担当になると精神的に辛い。

先輩助産師のプレッシャーも怖いし。

毎日忙しくて、気持ちもついていけない。

私、助産師向いてないのかも。

助産師の主なお仕事は、分娩介助をはじめ、他にも妊婦管理、新生児管理、帝王切開後のケア、母乳ケア、育児指導・保健指導などがあります。

また、産科は幸せな場面ばかりではありません。

色んな理由で中絶を選択したり、死産、新生児死亡の場面にも必ず助産師は立会います。

多忙な業務に加え、様々な事情を抱えた妊婦や家族と関わる中で、精神的に落ち込む場面も多々あります。

特に1年目助産師は、憧れや理想とのギャップが大きく辞めたいと思う人も多いです。

私自身、助産師を辞めたいと思ったことは数知れず。

そんな、毎年辞める宣言をしている現役助産師が、どんな時に助産師を辞めたいと思うのかをまとめました。

この記事はこんな人におすすめです
  • 助産師を辞めたくて辛い助産師
  • 助産師を志している助産学生
  • 助産師のお仕事に興味がある人

助産師を辞めたいと思う瞬間

考える人

お産が怖い

助産師を辞めたいと思う理由で一番多いのは、お産がらみではないでしょうか。

お産をとってなんぼの助産師ですが、分娩介助が嫌い・苦手な助産師はかなり多いです。

女性
女性

助産師なのにお産が苦手なの?!

意外と思われますが、一般的なお産のイメージと、管理する助産師の立場からみたお産の実際には相違があります。

一般的なお産のイメージ
  • 新しい命の誕生に立ち会える素敵なお仕事
  • やりがいや達成感がある
  • 出生の喜びと感動でいっぱい

しかし、分娩を管理する助産師は綺麗ばかりを言っていられません。

助産師
助産師

2人の命が自分の判断にゆだねられていると思うと、ずっとドキドキ・ヒヤヒヤ。

モニターから目が離せないし、分娩も進めさせないといけない。でも思うようにいなかいことも多くて、責任を感じてしまう。

分娩介助の実際
  • 母と子の2人の命を守らないといけない、助産師の判断と手にゆだねられる重圧
  • いつでも起こりうる緊急事態・急変が怖い
  • 自分のメンタル保持と体力勝負
  • 産まれる瞬間の介助より、分娩を進行させることの方が難しい
  • 出生の喜びや感動より、安堵感がはるかに上回る

分娩介助は、助産師にしかできないことであり、助産師の力が発揮される場面です。

しかし、実際に分娩と向き合う時、2人の命が自分の手にゆだねられていると思うと恐怖心がうまれます。

緊張の糸を切らすことなく長時間の分娩と向き合わなければならないので、分娩後は心身ともに疲労困憊。

思うようにいかず自分を責めてしまうことも多々あり、自分には向いていないかもとネガティブな気持ちにもなります。

急変が怖い

安全が保障された分娩はひとつもありません。いつでも急変がありえます。

分娩時の緊急事態
  • 母体または胎児の急変による超緊急帝王切開
  • 大量出血、大量輸血
  • 早産の陣痛発来

産科の急変は、一分一秒が命取りで母子の予後に影響を与えます

緊急事態の時には、助産師は冷静に正しい判断と行動をとらなければなりません。

内心はとても怖いですが、それを顔や態度に出さないようにし患者への配慮も忘れてはなりません。

ラマ看
ラマ看

怖い経験をしたことがある人にしかわからないことよね。

自分の気持ちの行き場は後回し

泣いている女性

産婦人科は、病院で唯一、命が生まれる場所です。そしてまた、死が存在する場所です。

中には、「おめでとう」と言ってあげられないお産もあります。

助産師は、そのようなお産にも付き添い、辛い想いに寄り添い、一緒に悲しみます。

新人助産師の頃は、その状況が耐えられなかったり患者の気持ちを受け止められないこともあります。

そんな、感情の起伏が激しい状況下であっても、仕事を正確に確実に実行しなければならない辛さはあります。

自分の気持ちのコントロールは大切です。患者優先、助産師自身の気持ちの行き場は後回しです。

ラマ看
ラマ看

辛い気持ちの中でも、患者の安全を守るために立ち止まってはいられないの。

特定妊婦との関わり

特定妊婦とは、
  • 妊娠中や出産後に支援が必要になる妊婦のこと
  • 家庭環境にリスクを抱えている妊婦
  • 経済的な困窮、複雑な家庭内事情、親が精神的な障害を持っている場合など、育児が困難と予想される妊婦
  • 若年妊娠や望まない妊娠、妊婦健康診査を受診しない妊婦など。

様々な事情を抱えている妊婦や家族は多いです。

支援しようにもどうにもできないことも多かったり、赤ちゃんを家族の元へ帰してあげられないこともあります。

家族や赤ちゃんにとって何が最善の策なのか、悩みに悩むことも多く、本当にそれでよかったのか自問自答します。

特定妊婦との関わりを通して、多くの困難にぶつかり葛藤し、精神的に辛くなることも多いです。

色んな助産師と人間関係

クッションに埋もれる子供

助産師にもいろんなタイプがいます。

タイプ別助産師
  • お産だいすき助産師
  • 医療機器や薬を使用しない自然派助産師
  • おっぱい命の助産師
  • 性教育だいすき助産師

それぞれ得意な分野やこだわりを持っています。

想いが熱い故に、周りの助産師にもやり方を強要したり、指摘されたり、被害を被ることも多々あります。

色んなタイプの助産師とうまく付き合っていかないといけないストレスがあります。

効率マシーンになる

助産師の仕事は分娩介助以外にも、帝王切開術後の管理、妊産褥婦の保健指導、乳房ケア、育児指導などがあります。

産前産後は、ホルモンの影響もあり気分が浮き沈みが激しく十分な時間とケアが必要です。

一人ひとりと向き合って関わらなければなりませんが、忙しさのあまり効率優先になっていることも。

こんなはずじゃなかったと落ち込むこともあります。

辞めたい時の乗り越え方

海で読書

同僚に辛い気持ちを共有する

気持ちの行き場がない時には、同僚と辛い気持ちを共有しましょう。

同じような経験や立場にある同僚であれば理解・共感してくれるでしょう。

恐怖心を強みにかえる

急な事態にも対応できるよう、勉強することと経験を積むことだと思います。

怖い経験をしたことがある人にしかわからないことは多いです。

初心の気持ちを思い出す

効率重視になっている時には、初心の気持ちを思い出しましょう。

特に、助産学生時代の10例取り上げ実習では、母子の為に真摯に向き合っていたと思います。

気持ちのリフレッシュ

気持ちの切り替えが大切です。夢中になれることや好きなことを思いっきり楽しみましょう。

まとめ

助産師を辞めたいと思う時は、

  • 分娩がうまくいかなくて落ち込む、苦手意識ができる
  • 緊急事態・急変が怖い
  • 中絶の立会いは気持ちが引きずられ辛い
  • ハイリスク妊婦との関わりが難しい
  • 色んなタイプの助産師との人間関係が難しい
  • 業務が多忙で効率優先となり、十分に関われないとき

辞めたいと思った時の乗り越え方は、同じような立場にある同僚に話を聞いてもらうことが一番です。

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